キャリパオーバーホール方法
(P25W/P35W)

キャリパオーバーホールの必要性。

ディスクブレーキを酷使したり年月が経ってくるとブレーキのピストンシールやブーツ類が硬化して、
ピストンやキャリパボディの動きが悪くなり、引き摺り、偏摩耗、異音、異常振動、フルード漏れなどが
症状として現れて来る事があります。
今回行なったキャリパオーバーホールはこれらの症状を改善し新車時に近いブレーキフィーリングと
効きを取り戻す手段として大きな効果がありました。

必要な部品と工具

交換するのはブレーキピストンのラバーシールとピストンブーツ(ダストカバー)、ブーツを固定するリング状
のスプリング、キャリパを支えるピンのブーツ2個とそれらに塗布するグリースです。
これらの部品は全てキットとしてまとめてパッケージされていて(写真1参照)、注文する際はキャリパ
オーバーホールキットと言えば通じます。
 

 写真1  
ディーラー価格でディスクブレーキパッドキット込み13000円程です。キャリパキットのみで2000円以下だと
思います。三菱部販を使えば更に安くなるでしょう。
フランジボルトは固着している事があるので14mmのメガネレンチが必要です(スパナ、ラチェットは不可)。
キャリパ分解時必ず洗浄するのでブレーキ洗浄剤、ブレーキフルードは最低500ml、エア抜きの為の透明な
ホースが必要です。

作業手順
 

1.ウマを架けてタイヤを外し、キャリパ裏面下部にあるフランジボルトをメガネレンチで外します。
 
2.写真2の様にキャリパ下部を引き起こします。
  写真2 
3.ローター側に張り付いているパッドを2枚とも外します。
 
4.キャリパをキャリパブラケットから引き抜きピストンブーツとピン、ピンブーツを外します。
  この時、各部品の取り付け状態をよく確認しておきます。
 
5.ブレーキペダルを何回もポンピングするとピストンが少しづつ出てきてフルードと一緒に飛び出してきます。
  (写真3参照。外したピストンの外観)この時リザーバタンクの液面が下がらないようにフルードを足し
  ながら行ないます。
   写真3 
6.ピストンシールを外した後、ピストン周辺はかなり汚れている筈なのでブレーキ洗浄剤で丁寧に洗浄します。
 
7.新しいピストンシールを入れ、ブリーダプラグ(シリンダー上部のキャップ付のプラグ)を緩めてからピストンを
  元に戻し付属の赤いグリースを塗布した新しいピストンブーツとブーツ固定用のスプリングを装着します。
 
8.ピンブーツの内側にたっぷり付属のグリースを塗布して元どおり組み込みます。
 
9.新しいパッドとシムを装着し、キャリパを組み付け、フランジボルトを締めます。
 
10.ブリーダプラグにホースを差込み、リザーバタンクにフルードを注ぎながらブレーキペダルをポンピングし、
   ブリーダプラグからエアが出なくなったらブリーダプラグを締めます。 
以上の作業フロントのみ両輪でブレーキフルード500mlを使い切ってしまいます。

オーバーホール後、異音やジャダー、引き摺り、偏摩耗の発生は全く見られなくなり、ブレーキのフィーリングも
新車時とまではいかないものの、かなりの効きと心地よいブレーキングの感触?の改善が感じられます。
デリカの様な重量車、特にAT車ではブレーキの負担が大きく、日頃のブレーキの定期的なチェック、メンテナンスは
非常に重要だと思います。

今回キャリパオーバーホールを行なった車

デリカスターワゴンGLX (AT) 平成5年12月登録  P35W−0412###
交換作業時(97・12・21)走行距離  92、800km